文通費とは?わかりやすく解説!世間の非常識で注目の100万円

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たった4時間の任期で新人国会議員に文通費100万円が支給されていると話題に。

小野泰輔議員によるnoteへの投稿により、その存在が広く知れ渡ることになりました。

しかし、その文通費が一体どういったものなのか良く分からないという方も多いようです。

ここに辿り着いたあなたもそのお一人ではないでしょうか?そこで、この記事では交通費について、なるべく分かりやすくまとめてみました。

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文通費とは?

文通費とは正式名を「文書通信交通滞在費」と言い、国会議員に支給される手当のひとつです。

漢字が並んで頭が混乱しそうですが、法律上では国会法第38条に規定されていて、「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等」を目的に支国会議員に支給されるとのこと。

難しい言葉が並んでいるので、もう少しかみ砕くと「郵便代」「電話代」「交通費」「滞在費」などが文通費に該当します。

ちなみに、文通費は1947年に「通信費」「滞在雑費」という名目で支給が開始。現制度になったのは平成5年(1993年)のことです。

なお、今回は冒頭でお伝えした通り、2021年10月30日に行われた衆議院議員選挙により初当選した新人議員が1日のみしか10月は議員になっていないにもかかわらず、満額100万円が支給されたことが問題視されているわけです。

しかし、これ以外の問題点があるので、細かく分けてみました。

文通費は非課税

文通費は非課税、つまり税金が発生しません。一般的に月100万円の収入があれば、所得税や住民税が発生するわけですが、文通費は対象外です。

そのため、国会議員一人あたり年額1200万円、その他の歳費以外に手にすることができます。

1200万円もの収入があれば、本来所得税は33%の396万円発生するわけですから、同じくらいの年収の方にとっても納得できないシステムではないでしょうか?

感染症による10万円給付の対象外の方々や生活が苦しい国民にとっても理解しがたい手当だといえそうです。

領収書の添付不要

税金がかからないだけでなく、文通費は領収書の添付義務がありません。このため、使い道の報告や何に使ったかの報告する必要がありません。

このような曖昧さがあることから、時折、政治家の「第二の給料」や「議員特権」などと揶揄されることも少なくないのです。

給与とは別に月額100万円貰えて、使い方は自由。これだけを見れば、羨ましさを感じるとともに怒りをおぼえる方も、きっといるでしょう。

多くの国民が生活に余裕があるのであれば、不満は起きなさそうですが、現状、苛立ちの声の方が圧倒的に多いことが容易に想像できます。

また、この文通費に対しては、平成13年(2001年)に領収書を添付した使途報告書を公開すべきとの声があがったものの、実現することがないまま現在に至っています。

どんな使い方をしても罰則なし

領収書の添付の必要がないということであれば、どんな使い方をしても国民が知れるわけもないのですが、本来の目的以外に使用しても罰則が設けられていません。

本来の目的とは、先述した「郵便代」「電話代」「交通費」「滞在費」などといった費用ですが、これ以外に使う事も出来てしまうのも文通費なのです。

実質何に使ったとしても、お咎めがなく、国民からしたら使途不明金といえそうな手当であることから、支給に対して否定的な意見が多くあります。

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文通費以外に国会議員がもらえる手当など

今回の騒動により、注目を浴びている文通費ですが、このほか、国会議員がもらえる手当もなどもあるわけで、トータル的にはかなりの高額となります。

具体的にどんな手当などがあるのかみてみましょう。

文通費以外にもらえるお金その1.議員歳費

議員歳費は所謂、国会議員の給料のことで、月額129万4千円が支給されます。これに加えて、6月と12月に期末手当と呼ばれる、会社員のボーナスのようなものもが314万円ずつ支給。

年間、約2180万円もらえる計算です。ただし、この歳費に関しては税金が発生します。

2180万円くらいの収入であれば、単純計算で700万円くらい税金として引かれるので、手取りは1480万円ほどとなります。

そんなに貰えるなら100万円なんて必要ないとお感じといったところでしょうか?

文通費以外にもらえるお金その2.立法事務費

また、文通費の他に立法事務費という手当も存在しています。

こちらに関しては、国会議員一人当たり月額65万円がもらえますが、個人にではなく各会派へ所属議員の人数に応じて支給される仕組みです。

会派とは政党とは異なり、議院内で活動を共にしようと集まった団体を指します。基本的には、党内の議員によって会派は構成されますが、無所属など一部の議員はどこかの党の会派に所属している場合もあります。

そして、当然ながら会派の所属議員が多いほど、立法事務費の合計支給額が大きくなる仕組みです。

なお、この立法事務費に関しても、文通費と同じく使途を届ける必要はないとあり、国会閉会中にも支給されています。

文通費以外にもらえるお金その3.政党交付金

こちらは、政党助成金とも呼ばれていて、政党活動の助成を目的とした国庫から支給される資金です。

仕組みとしては国民1人当たり年間250円、総額約320億円分の税金から分配されて支給されます。

なお、政党交付金は先の立法事務費と同じく、議院個人は支給されません。ルールとしては、所属議員が5名以上といった諸々の条件を満たし、かつ交付を届けた政党に交付されるとあります。

また、文通費や立法事務費と異なる点は、政党交付金に関しては、使途の公表が義務付けられていることです。

公開されている情報は総務省のホームページから閲覧できるので、参考までに以下にリンクを貼っておきますので、どんな使われ方をしているのか一度目を通してみてはいかがでしょうか?

政党交付金の使途⇒政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書

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その他国会議員が入手可能な特典

ここまでご紹介してきた手当以外にも、国会議員は、以下のような様々な特典を手にすることができます。

■旅費
■期末手当
■JR特殊乗車券、国内定期航空運送事業に係る航空券の交付
■審査・調査のための派遣旅費日当
■議会雑費
■人事官弾劾の追訴にかかる実費の支給
■弔慰金・特別弔慰金の支給
■公務上の災害に対する補償
■立法事務費

ちなみに内閣総理大臣であれば退職金が発生します。かつては一般議員に対しても退職金のようなものが支給されていましたが、現在は廃止されています。

なんにしても、これだけの至れり尽くせりの特典をゲットしているのですから、もっと国民のための政策をしていってもらいたいものです。

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【まとめ】国会議員の文通費について

以上、国会議員の文通費について、なるべくわかりやすく解説してきました。

お伝えした通り、文通費とは国会議員に支給される手当の一種で、その額は月額100万円です。

さらに、たった4時間程度の任期であっても支払われてしまうという摩訶不思議であることをご紹介しました。

文通費なので、国会議員の支援者に活動報告を送るために1通100円かかったとしたら、1万人に送ったら100万円はあっという間に消えるなんて言っている方もいるようです。

しかし、これだけインターネットが普及した時代に郵送という発想がナンセンスです。活動報告なんてメール1通送れば事足りると個人的には思います。

国民に10万円給付するのを躊躇うわりに貰うものは遠慮なし。

なお、方々からこの件に限らず政府に対して文句がたびたび噴出していますが、こういった文句を言う者の中に選挙に行って投票している人間はどれくらいいるのでしょうか?

やるべきことをやらずに文句ばかりいう国民にも問題がある気もします。

なにはともあれ、誰もが幸福を味わえる国になってもらいたいものですが、現実は難しそうです。

ちなみに文通費に関しては2009年にも問題になっていますが、いつの間にか忘れされ去られて12年の時を経て再注目されています。今回も慌てて寄付に走る動きが見られますが、どうなることやらですね。

この記事はお役立ていただけたでしょうか?少しでもご参考になったのであれば、幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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コメント

  1. 昭勇 笠原 より:

    国会法第38条「文通費」とは合憲ですか?
    その根拠はどこにあるのですか、自己の利益のための法案を自分たちで決められるのですか?

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